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タイトル | LAST KISS |
| 著者 | 佐藤ケイ | |
| イラスト | 高梨ひつじ | |
| 出版 | 電撃 | |
| 発売日 | 2002年8月 |
| 執筆者:jade | 評価:A |
| 「私が死んだら、お兄ちゃんはきっと泣くと思います――」 重い病気を患っている中学ニ年生の井崎由香。 夏休みに一時退院した彼女は、これまでほとんど接触のなかった兄・智弘と、“かんネェ”こと夏尾とともに過ごした夏の想い出を日記帳に綴る。 兄に帽子を買ってもらったこと、神戸の高山植物園に行ったこと、お弁当を持って須磨海岸に海水浴に行ったこと… だが、何気ない日々の中で少しずつ兄への気持ちは形を変えていく。 そしてその想いが三人の関係、三人の気持ちに少しずつ変化をもたらす。 不器用な三人の気持ちの行く末は─── 佐藤ケイが贈る、ひと夏のセンチメンタル・ラブ・ストーリー。 … え〜っと… 『加奈』…ですよね…これ? … うん、『加奈』だ。関西版の『加奈』。 偶然で片付けるにはあまりにも類似点が多すぎるし、作中に東鳩ネタを使ってる著者が同時期に発売された加奈を知らないなんてありえないしなぁ(苦笑 由香の日記を最初と最後に持ってくる構成や父親が帰ってくるタイミングなど、涙腺を刺激するツボを押さえてるのはさすがですが、『加奈』と比べるとどうしても見劣りするのは否めませんね。 『加奈』では兄妹が幼少時代から片時も離れず過ごしたのに対し、『LAST KISS』における兄妹の交流は最後のひと夏だけ。 これでは妹が兄に対して恋心を抱くのに説得力がもてないし、何より読者が感情移入するのが難しいと思います。 てか、幼少の頃から長期に渡って入院している妹に対して、これまでずっと無関心だったって言うのもあまりにも無理があり過ぎると思うんですが… 兄妹以外のキャラに関しても、『加奈』ではホスピス患者の霧原母子、看護婦の美樹さん、兄の恋人・夕美、加奈に想いを寄せる勇太など、藤堂兄妹に対して持つ感情を深く描いているのに対して、『LAST KISS』では内面まで描かれているのは夏尾くらい。 これが物語の厚みという点において埋めようのない差となって現れてしまっています。 特に兄妹が本当の意味で死に向き合う契機となるホスピス患者の霧原母子との交流に匹敵するエピソードが『LAST KISS』にはないのが痛いですね。 う〜ん、『加奈』と比べなければ特に物足りなさを感じることはないと思うんだけど、比べるとどうしても粗が目立っちゃうんですよね。 『加奈』未プレイなら“S”を付けてもおかしくない作品だと思うけど、プレイ済みの人には空々しさを感じてしまってせいぜい“B”〜“B+”ってとこだろうなぁ。 『LAST KISS』→『加奈』の順はありだけど、『加奈』→『LAST KISS』の順はないですね。 例えるなら追加エピソードが入ったリニューアル版をプレイした後にノーマル版をやるようなもので、『加奈』プレイ済みの人には正直オススメできません。 『加奈』未プレイの人なら十分楽しめると思うけど、それなら私は『加奈』をプレイすることをオススメしますね。 |
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